桜舞う四月九日、江の川両岸に集落を成す川本町の中心部から北西に伸びる県道187号線を谷に沿って少し上っていくと湯谷(ゆだに)温泉が有ります。
時は桜の満開時を迎え多くの人に見てもらいたいとばかりに、これでどうだと咲き誇る桜には申し訳ないほどの閑静な佇まいの中に、「湯谷温泉 弥山荘」があるのです。 設備はそこそこ立派な造りで、親切な職員が案内をしてくれました。
温泉は、源泉を加温した茶褐色のナトリウム-塩化物泉です。
なんと、2020年の温泉総選挙で審査員特別賞を頂いている良質の温泉なのです。
井戸水を沸かした湯にはジェットバスが付いていますが、その他は源泉を沸かしただけの湯が三つ用意されていました。
そのうち二つは一人用の陶器で出来た樽湯でぬるめの設定です。
そして3~4人用の浴槽は、いかにも「源泉」らしい濃くて身が引き締まるような薄茶色のお湯です。 こちらもややぬる目の泉温で、居合わせた湯治客と湯槽の中で30分以上も温泉話をしたのでした。
聞くと同じ広島から訪れた方で、ここ10年は趣味の絵画と温泉を巡り書いたブログの温泉は200にものぼり本の出版までされた大先輩で、特に中国地方の温泉は知り尽くしておられそうな方でした。
温泉を訪ねて出会う人は、考えや環境が違うはずなのに何故か話が楽しくなるもんだなぁ・・・。
まさに知る人ぞ知る温泉設備だが、間違いなく地元住民の憩いの場にちがいないなと思ったのでした。
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